入浴市場サマリ~ いい湯だな~。

Tuesday, December 15, 2009

12月14日の入浴市場サマリ~ 偉大な経済学者の死

おはようございます。
Copacabanaです。

ノーベル経済学特別賞を受賞したポール・サミュエルソン氏が亡くなった。

1970年に米国人として初のノーベル経済特別賞受賞者となった方である。私も学部生の時に「Economics: An Introductory Analysis」で勉強した。今となれば基本中の基本であろうが、非常に経済学的な視点を大事にした教科書である。彼の教え子は2008年にノーベル賞を受賞した私が尊敬するポール・クルーグマン氏。サミュエルソン氏のライバルは1976年にノーベル経済特別賞を受賞したマネタリストの故ミルトン・フリードマン氏であった。フリードマンの教え子で有名なのはロバート・ルーカス氏、合理的期待仮説で有名で、1995年ノーベル経済特別賞受賞者。

サミュエルソン氏は今回の金融危機ではブッシュ前大統領のことを鋭く批判していた。それは故フリードマンの唱えていた自由主義経済への反論でもあったように思える。

私が大学時代に経済学を勉強した時の著名な経済学者がこの世から去った。何とも寂しい限りである。経済学は科学のように見えて(見せて)科学とは程遠いというのが私の持論である。知っていようがいまいが、生きていける。が、経済を読み解く上では最低限必要な業界用語である。それは、法律家を目指す人間が法律用語を知らないようなものである。確かに経済を知らなくても生きていける。でも、知っていると見えてくるものもあると私は信じている。サミュエルソン氏のテキストは、そんな基礎中の基礎をわかりやすく解説してくれる教科書であった。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

さて、昨今のような金融危機は故フリードマンが予言し提唱した訳ではないが、超簡単に言うとフリードマンの主張とケインジアンの主張はこんなもんである。マネタリストや自由主義者は、市場は自由にさせておいた方が良いと主張する。実際にその通り自由放任にさせておいたらこんな悲惨な結果になってしまった。だから政府が介入して助けないといけないと主張するのがケインジアンである。その両方の良いとこ取りをするのが、サミュエルソン氏等の新古典派経済学者達であった(かなり粗いけどもそんなイメージ)。

個人的にはどっちもどっちで、必然的に市場は失敗し、暴走するのだと思えば、どっちでも良い。ただし、失敗は市場もするし、人為的にも失敗するといのが大事。それらを前提に制度をデザインしていくのが良いと思うのが私のような日和見主義者である。昨今のような金融危機が生じても、放置しておけば良いというのが自由主義者たちの主張なのだが、多くの場合はケインズ的な考えを有するエコノミスト達が多く、無責任な政府の役割に期待する。結局、後でそのツケを払うか、今払うかの違いに過ぎないと私は個人的に思う。

多くの場合、人は政府に様々な役割を期待する結果、政府が介入した場合の方が後で高い代償を払うにしても、目先の不幸に耐えられないから政府に介入を許してしまう。しかし、私からすれば誰が政府の行動を規律付けする制度をデザインするのかという大事な問題が欠如していると思う。

その大事な規律付けメカニズム(システム又は制度)が欠如していた結果、ブッシュ前大統領やポールソン前財務長官、グリーンスパン前FRB議長等の行動が無責任で無秩序となり、結果としてリーマン・ショックという形になって世界経済を危機にさらしたと言っても過言ではないと私は考えている。

だから、古典派アダム・スミスだろうが、ケインジアンだろが、新古典だろうが、関係がない。何であれ予測不能な事態に陥り、市場は間違った方向へ向かう可能性を常に秘めているので、そうならないように柔軟に規律付けできる制度というのが大事だと理解して、政治家は制度をデザインして欲しいと切に思う。

米国に限らず昨年のリーマン・ショック以降、金融機関が緩い規制を逆手に取り、過度のリスクを引き受けてきた結果、金融機関は実質破綻。世界恐慌になると脅されて国民も政府が金融機関を救済することを許し、政府の介入が金融機関に便益をもたらす形で行われ、結果として社会的厚生がさらに歪み、経済成長は数字上するが失業率は増え、金融機関の社員はさらに高額報酬を受け取ると言う社会的不公平が生じた上に、債務は全て政府持ち。米英は国債増発で格下必至。アイルランド、東欧諸国、ドバイ、ギリシャ・・・という具合に実質債務超過国は後を絶たず、ソブリン・リスクは高まるばかり。一方で、米銀大手は高額報酬を受け取り、公的資金を返済。債務者の主体が民間金融機関から政府に移っただけで、何にも変わらない。というか、より明確に強い通貨と弱い通貨がはっきりしてきたように思える。

昨日はアブダビ政府がドバイワールド向けのドバイ金融支援ファンドに100億ドル出資すると発表した。おいおい外貨準備のいくらつかうのか?と心配になる。いくら原油が取れるからって・・・結局、ソブリン・リスクになっただけのこと。怖い怖い。

12月11日の金曜日に米下院が金融規制改革法案を223対202で可決し、金融機関の金融派生商品の取引規制やヘッジファンドの監督の等の政府による規制を強化できるようになった。しかし、個人的には「時既に遅し」のような気がしている。

FDIC(米連邦預金保険公社)のベアー総裁曰く、米銀の破綻数は来年がピークだそうな。銀行が悪さをしないようにするには、規制の強化しかない。公的サービスを提供する以上は、インフラと同じ。銀行には預金を集め、貸出をするという一番の機能以外の業務だけに専念させ、その他の金融業務を一切認めなければ全て解決する問題なのだが。株式保有も駄目、保険業務も駄目。デリバティブズも駄目。投資も駄目。ヘッジファンドも駄目・・・簡単ジャン。でも、結局、全員が利害関係者だからそんなに上手くいかないんだよね。

12月14日のCNBC, Worst of Bank Failures Isn't Over Yet: FDIC's Bairから。
"There's a lag generally with bank recovery from the overall economy," she said. "We do think bank failures will continue to go up next year but will peak. Even at higher levels than we have this year, it's still far below where we were during the S&L days."

米銀破綻数推移・・・

米連邦預金保険公社のFDIC, Failed Bank List(破綻銀行リスト)から。

2000年 2行
2001年 4行
2002年 11行
2003年 3行
2004年 4行
2005年 0
2006年 0
2007年 3行
2008年 25行
2009年 133行(12月11日現在) 

この数字にも最近無関心・・・

NY株式: 14日のNY株式市場は上げ。
ダウは4日続伸で前週末比29ドル55セント高の10, 501ドル05セント、ナスダックは反発で同21.79ポイント高の2212.10、SP500は同7.70ポイント高の1114.11でそれぞれ取引を終えた。ダウは1年2ヶ月ぶりに10,500ドル台を回復して終了した。業種別S&P500種株価指数(全10業種)では「通信」のみが下げた。携帯端末の開発が報じられたグーグルが上昇。UAEのアブダビがドバイ
ワールドに対して100億ドルの資金援助を行うことがアジア時間に報じられたことが好感された。



NY為替: 14日のNY外為市場でドル円は3日ぶり反落。
アジア市場や欧州市場で本邦輸出企業の売りに押され、NY時間は対オセアニア通貨や対ユーロなどでドルが売られたことが重しとなり、88.45円~88.76円のレンジでの推移となった。ユーロドルは反発。UAEのアブダビがドバイ・ワールドに対する支援が報じられ、ユーロ買い・ドル売りの展開に、ただし、ギリシャの信用不安もあり、上値も重く、1.4624~1.4667のレンジ。ユーロ円は3日ぶり反落。ユーロドル反発もドル円が下落した影響が出た。



米国債: 14日の米国債(10年債)市場は横ばい。
10年物国債(表面利率3.375%)利回りは前営業日と同じ3.55%で取引を終えた。FOMCを控えてポジション調整が優勢となり、米10年債利回りは、一時3.508%へ低下するも、3.5%割れでは買いも入り、前日比変わらず。



NY原油: 14日のNY原油先物は9日続落。
NYMEX・1月限は前週末比0.36ドル安の1バレル=69.51ドルで取引を終えた。景気回復が緩やかになると推測されることからエネルギー需要の回復が減少するとの見方を背景に、時間外では売りが優勢となり、一時68.59まで下落する場面もあった。NY株高を背景に買戻しが入るも戻し幅も限定。



NY金: 14日のNY金先物は反発。
COMEX・2月限は前週末比3.9ドル高の1トロイオンス=1123.8ドルで取引を終えた。UAEのアブダビがドバイ・ワールドに対する支援が報じられ、ユーロドルが上昇したことで金が買われ、一時1128.9ドルまで上昇した。



来年の主要国のGDP成長率が出ていた。中国が1位で9.4%だそうな。米国は2.6%で日本は1.15%。なんと英国の1.25%よりも悪い。中国に投資するのが良いのだろうが、中国のGDPは改定されることが無い。信用できない数字である。ゲタを履かせていて、各国のGDPの予測もその中国を筆頭にBRIC's諸国の信用してよいかどうか不明な数字に相互依存している。GDPの数字ってどこまで本当なんだろうか・・・



出所: Bespoke Investment Group, 2010 Country GDP Growth Estimates

で、中国政府が加熱する中国の不動産市場に対して規制強化に出ると中国メディアが報じたらしい。私の個人的なguessだが、中国政府の公表する数字はゲタを相当履いているので、仮に不動産関係の規制を強化すると・・・怖い怖い。

おまけ・・・

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